高校のカケラ

帰る前に一生懸命荷造りをしていたら、英語のテキストとノートがたくさんでてきた。
こんなん今更なあと思ってひらいたら、意外にもテキストとノートが一致している。
おまけに、授業を書いたあともう一度黒ペンで書きなおしていた。
とても丁寧に。
英数研という、京大のひとが時給六千円だかで教えている小さな塾に三年通った。
先生が今ふりかえってもバイトとは思えないほどしっかりしていて、厳しかった。
授業に惚れ込んだ先生がいて、担当が英語だからという理由でやみくもに頑張っていたころのノートだ。
先生は男子生徒とたばこをすい、止めさせられてしまってそれ以来音信不通だ。
解雇になった日にうちに電話をくれたのが最後だった。
それ以来ぱったり塾へ行く気がうせたけど、そんなこともあったなあと‥
とにかくここで眠らせておくのはもったいないと思い、恐縮ながら、ノートとテキストを対応させ高2の妹にあげた。
うざがるかなと思ったら、意外にもやってみるよとか言いだし、さらには予備校にも行こうとパンフレットを見始めた。
あれだけ母が言ってもきかなかったのに。
わからないなと思う。

帰りは青春18切符で帰ってきた。
米原ー大垣間と、浜松ー静岡間がつらかった。
静岡で沼津行きが待っていてくれたんだけど
20分後に東京行きがあるというので
一本遅らせると、なんとムーンライトながらのきれいな車両がやってきて
かなり嬉しかった。
デパ地下で買ったお花見弁当を片手に
ゆったりと暗い海を見て読書をしながら帰ってきた。
東京駅でだんなと合流。
久しぶりなので話すことがたくさんあり、口が疲れるほど話した。